Letter

物理:超伝導回路における動的カシミール効果の観測

Nature 479, 7373 doi: 10.1038/nature10561

現代量子論における最も予想外とされる予測の1つは、空間の真空が空虚ではないというものだ。実際に量子論は、真空が、生じたり消えたりする仮想粒子で満ちていると予測している。このことは最初は奇妙に思われたが、このような真空揺らぎから測定可能な結果、例えば原子スペクトルのラムシフトの発生や電子の磁気モーメントの補正が生じることがすぐに理解された。真空揺らぎが原因となるこのタイプの繰り込みは、今や我々が自然を理解するときに中心的な役割を果たしている。しかし、これらの効果からは、真空揺らぎの存在に関して間接的な証拠しか得られていない。この量子真空を構成する仮想粒子をもっと直接的に観測することが可能かどうかは、当初から論じられてきた。40年前、相対論的運動をしている鏡が仮想光子を直接観測可能な実光子へ変換する可能性が示唆されたが、後に動的カシミール効果と名付けられたこの現象は、これまで実証されていなかった。本論文では、電気的長さが調節可能なコプレーナ伝送線路からなる超伝導回路で、動的カシミール効果を観測したことを述べる。超伝導量子干渉素子のインダクタンスを高周波(> 10ギガヘルツ)で変調すると、この電気的長さの変化速度を非常に速く(光速のかなりの割合に)することができる。実光子の生成が観測されるとともに、放出される放射に2モードスクイージングが検出された。これはその発生過程の量子性を示す特徴である。

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