Letter 植物:植物の酸素感知はタンパク質不安定化に使われるN末端法則経路を介して行われる 2011年11月17日 Nature 479, 7373 doi: 10.1038/nature10536 真核生物の大部分は呼吸エネルギー産生を酸素分子に依存している。酸素の供給が低下すると、大幅なエネルギー減少の有害な影響を低下させるために、さまざまな順化応答が活性化される。このような応答を引き起こすと考えられる、さまざまな酸素感知機構が報告されているが、それらの機構はいずれも動物界に特異的であるらしく、植物での酸素感知機構は現在まで明らかにされていない。本論文では、タンパク質分解のユビキチン依存性N末端法則経路の一部分(哺乳類と植物の両方で機能している)が、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では酸素感知機構として働いていることを示す。エチレン応答性因子(ERF)型転写因子であるRAP2.12のアミノ末端の保存されたアミノ酸配列が、酸素依存的に翻訳後修飾を受けるための配列であることが突き止められた。これによって、好気条件下では最終的にRAP2.12の分解が引き起こされる。洪水の際などのように、酸素濃度が低くなるとRAP2.12は細胞膜から放出されて核に蓄積し、低酸素に順化するための遺伝子発現を活性化する。酸素感知機構の1つを明らかにした我々の知見によって、作物の冠水耐性を向上させる新しい可能性が開かれるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る