Letter 神経:マウス嗅覚での嗅ぎフェーズの知覚 2011年11月17日 Nature 479, 7373 doi: 10.1038/nature10521 嗅覚系は、どのニューロンがいつ応答したかによってにおいを符号化する。哺乳類では、個々の嗅ぎ行動ごとに、嗅覚ニューロン集団内で正確ににおい物質特異的な順序で活動が発生する。同様に、感覚に携わる末梢神経や認知に携わる中枢神経などの多くの神経系で、ニューロン活動はサンプリング行動または内部で発生させた発振活動に対して相対的に時間を合わせている。これらの神経系と同じく、嗅覚系でも活動との相対的時間差が情報を表現している可能性がある。しかし、哺乳類の嗅覚系がそのような方式をとっている証拠はまだない。嗅ぎ行動周期(「嗅ぎフェーズ」)に対する嗅覚ニューロン活動の相対的時間差をマウスが知覚するかどうか調べるため、遺伝子ターゲッティドマウスに光遺伝学手法を適用して、空間的に一定で、時間的に制御可能な嗅覚入力を発生させた。本論文では、マウスが光遺伝学的に誘発した嗅覚受容ニューロン活動に応じた嗅ぎフェーズを行動であらわせることを示す。また、マウスは嗅ぎ周期内でわずか10ミリ秒(嗅球でのにおい応答の時間的正確性と同等な時間)ずらして与えた光誘発入力を区別することができる。覚醒マウスの嗅球の電気生理学的記録では、個々の細胞が、嗅ぎ行動と光活性化の時間差を、応答のタイミングと振幅に符号化することが示された。これらの結果から、哺乳類の嗅覚系は時間的パターンを読み取れることがわかり、サンプリング行動に対するニューロン活動の相対的タイミングを、正確なにおい知覚をすばやく作るための強力な手がかりとしていることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る