Article

医学:骨髄異形成症候群ではスプライシング装置のパスウェイ変異が高頻度に認められる

Nature 478, 7367 doi: 10.1038/nature10496

骨髄異形成症候群とその関連疾患(いわゆるMDS)は、血球形態の変化を伴った血液産生の異常と急性骨髄性白血病への進行を特徴とする一群の骨髄系腫瘍であるが、その発症機序はよくわかっていない。今回我々は、29例のMDS検体について全エキソームの塩基配列解読を行い、U2AF35ZRSR2SRSF2SF3B1などのRNAスプライシング装置にかかわる複数の因子に生じている、全く予期していなかった新規なパスウェイ変異を見いだしたことを報告する。一連の大規模解析によって、これらのスプライシング・パスウェイ変異が、MDSの特徴を有する骨髄系腫瘍で高頻度(約45〜85%)かつ特異的に認められることがわかった。注目すべきは、変異のほとんどが、mRNA前駆体のプロセシングに際して3′-スプライス部位の認識にかかわる遺伝子に、互いに重複することなく生じており、その結果、RNAスプライシングの異常や造血機能の低下が惹起されることである。これらの知見は、ヒトの病気の発症にスプライシングに関与する主要な因子の遺伝子変異がかかわっている可能性を示す初めての証拠であり、MDSの新しい治療法につながる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度