Article 遺伝:大規模な塩基配列解読によって見つかった50個の劣性遺伝性認知障害関連新規遺伝子 2011年10月6日 Nature 478, 7367 doi: 10.1038/nature10423 ありふれた疾患は遺伝学的に不均一であり、多数のさまざまな遺伝的欠損によって臨床的に識別できない表現型が生じるため、複雑であることが多い。このことをよく示しているのが早発性認知障害(知的障害)で、これは知られる中で最も複雑な疾患の1つであり、世界中できわめて重要な医療問題の1つともなっている。X染色体連鎖性の知的障害だけでも90種類を超える遺伝子異常が特定されているが、もっと高頻度で見られる常染色体遺伝性の知的障害に関する研究は、まだ始まったばかりである。今回我々は、常染色体劣性遺伝性知的障害の分子的解明を進める目的で、イランなどで染色体劣性遺伝性知的障害の見られる136の血縁家族を対象に、ホモ接合性マッピング、エキソン濃縮法および次世代塩基配列解読法を実施した。この研究は今までに発表された中で最大のもので、これによって、すでに知的障害と関連付けられているか、もしくは神経疾患に関係付けられている23個の遺伝子上にさらなる変異が見つかり、加えて、50個の新規候補遺伝子上に病因性と思われる単一の変異があることも明らかになった。これらの遺伝子のうち、いくつかがコードするタンパク質は既知の知的障害関連遺伝子の産物と直接相互作用し、また多数のものが、正常な脳の発達や機能に重要だと考えられる転写および翻訳、細胞周期の制御、エネルギー代謝および脂肪酸合成などの基本的な細胞過程に関与している。 Full Text PDF 目次へ戻る