Letter 遺伝:16番染色体の遺伝子座p11.2の遺伝子量と関連している、鏡像的な両極端のBMI表現型 2011年10月6日 Nature 478, 7367 doi: 10.1038/nature10406 肥満と低体重はどちらも死亡率の上昇と結びつけられている。低体重は、成人ではボディーマス指数(BMI)が18.5 kg/m2以下、小児では平均値から標準偏差で−2以下の体重と定義されており、成長障害、摂食障害、神経性食欲不振症などを含む一連の病態群の主な兆候である。肥満とは異なり、このような病態の原因となる遺伝的変異はほとんど報告されていない。我々は以前に、16番染色体短腕の約600キロ塩基(kb)の領域のヘミ接合体が、浸透度が高く過食症や知的障害を伴うことの多い型の肥満の原因となることを明らかにした。本論文では、逆にこの領域の重複が低体重と関連していることを明らかにする。臨床的に発達・知的障害(DD/ID)あるいは精神障害と診断された患者群や、集団ベースのコホートから、この領域の重複保有者を138人同定した(そのうち132人は新規の保有例で、108人は血縁関係のない保有者)。これらの重複保有者では、有意な出生後低体重と低BMIが見られた。5歳未満の重複保有男児の半数は成長障害と診断される可能性がある低体重であり、成人の重複保有者は臨床的低体重となるリスクが8.3倍にも上昇する。男性のほうが重症度が高くなる傾向が見られ、また病気だとはっきり診断されていない例では男性保有者が少なかった。これらの特徴に伴って、選択的・限定的摂食行動と頭囲の相当度の減少が非常に高頻度で見られた。観察された表現型はどれも、この遺伝子座に欠失がある人々で報告されている表現型の逆であった。これらの表現型には、重複領域内にある遺伝子の転写産物量の変化との相関が認められたが、周辺領域の遺伝子の転写産物との相関は認められなかった。このように16p11.2のコピー数変異の影響が逆であることは、重度の肥満と低体重の原因が鏡像的な関係にあり、おそらくエネルギー収支に互いに逆の影響を及ぼしていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る