Article 発生:ヒトの卵母細胞は体細胞を多能性状態へ再プログラム化する 2011年10月6日 Nature 478, 7367 doi: 10.1038/nature10397 卵母細胞ゲノムを体細胞ゲノムと交換したのちに、多能性幹細胞へ誘導することで、ヒトの変性疾患に侵された特異的な細胞を作り出せる可能性がある。患者のゲノムを持つそのような細胞は、細胞の置換に使えるかもしれない。本研究では、ゲノム交換後のヒト卵母細胞の発生は、転写の異常を伴って卵割期後期に停止することを報告する。対照的に、卵母細胞のゲノムを取り除かずに、体細胞ゲノムを加えるだけにした場合、これによって生じた三倍体細胞は胚盤胞期まで発生する。このような胚盤胞から得られた幹細胞株は、三胚葉すべての細胞タイプへ分化し、体細胞由来のゲノムにおいて、多能性遺伝子発現プログラムが樹立される。この結果は、卵母細胞を用いてヒト細胞を再プログラム化することの実現可能性を実証しており、卵母細胞ゲノムの除去が、ゲノム交換後の発生不全の主原因であることを明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る