免疫グロブリン重鎖(IgH)可変領域のエキソンは、分化途中のBリンパ球でVH、DおよびJH遺伝子断片から組み立てられる。マウスでは270万塩基のIgh遺伝子座内でV(D)J組み換えが調節され、特異的で多様な抗体レパートリーが確保される。今回我々は、マウスで、VHクラスターとDクラスターの間に重要なIgh V(D)J組み換え調節領域(IGCR1;intergenic control region 1と命名)が存在することを報告する。IGCR1はCTCFのループ形成/インシュレーター因子結合配列を使って機能を果たしており、それに応じて、離れたエンハンサーを含むIghループ形成を仲介する。IGCR1は正常なB細胞分化を促し、DH近傍のVH遺伝子断片の転写と再編成を抑制し、遠方のVH断片の再編成を促進することで抗体レパートリーのバランスを取っている。IGCR1は胸腺細胞で、JH断片に結合していないD断片へのVHの結合と、VHのDJHへの結合をそれぞれ抑制することによって順序立って系列特異的なVH(D)JH組み換えを維持している。IGCR1はまた、近傍のVH–DJH組み換えのフィードバック調節と対立遺伝子排除にも必要である。今回の研究は、長く探索されていたIgh V(D)J組み換え制御領域を明らかにし、また広く発現するCTCFタンパク質の新しい役割を示している。