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材料:生物からヒントを得て考案された、圧力に対して安定なオムニフォビシティ(omniphobicity)を持つ自己修復性滑り性表面

Nature 477, 7365 doi: 10.1038/nature10447

いろいろな液体をはじく丈夫な合成表面を作出できれば、生物医学デバイスや燃料輸送から建築に至るまで、さまざまな分野に幅広い技術的影響があるだろう。しかし、これはきわめて困難である。天然に存在する非濡れ性構造体、特にハスの葉からのヒントは、安定な空気–液体界面の形成に基づく微細テクスチャー構造の撥液性表面の開発につながった。しかし、10年間にわたる集中的な研究にもかかわらず、これらの表面には依然として、接触角ヒステリシスが大きく撥油性に限りがある、圧力や物理的損傷により機能が失われる、自己修復が不可能、製造コストが高いなどの問題があり、実用化が制限されている。こうした難問に取り組むため、今回我々は、自己修復性、並外れた撥液性と撥氷性、圧力に対する安定性、高い光透過性を示す滑り性液体含浸多孔質表面(slippery liquid-infused porous surface;SLIPS)を形成する手法について報告する。我々の方法は、食虫植物ウツボカズラから着想を得たもので、ナノ/マイクロ構造の基板を用いて含浸潤滑液を適所に固定しているため、ロータス効果とは概念的に異なる。我々は、潤滑剤が欠陥のない安定な不活性「滑り性」界面を形成する必要条件を明確にしている。この表面は、さまざまな単純液体や複合液体(水、炭化水素、原油、血液)をはじき、小さい接触角ヒステリシス(2.5 °未満)を維持し、物理的損傷を受けた後も撥液性を迅速に回復でき(0.1〜1秒以内)、氷の付着を防止し、高圧(最高で約680 atm)でも機能するという点で、天然の撥液表面や最新の合成撥液表面より優れている。これらの特性は基板の精密形状に敏感でないため、我々の手法は安価で表面エネルギーの低い構造を持つさまざまな材料(多孔質テフロン膜など)に適用可能であることがわかった。このような滑り性表面は、流体の操作や輸送、光学的センシング、医薬品の分野で、また厳しい環境で機能する自浄・防汚材料として役立つと考えられる。

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