Letter

物理:飛行する電子を使う量子光学用プラットホームとしての音波に波乗りする電子

Nature 477, 7365 doi: 10.1038/nature10416

金属中の電子は互いに識別できない粒子であり、他の電子やその環境と強く相互作用する。そのため、単一の飛行する電子を、単一光子の量子光学実験と似た方法で孤立して伝搬させ、検出することは難しい課題である。これまでのところ、電子がほぼ弾道的に伝搬する高移動度二次元電子ガスにおいてわずかな数の実験が行われているに過ぎない。こうした従来の研究では、飛行する電子は電子集団が発生する電流によって検出され、電子相関は電流雑音中に暗号化されている。本論文では、一次元チャネルを通って他の電子から孤立して伝搬する単一電子に対する高効率の単一電子源・検出器の実験による実現を実証する。移動するポテンシャルを表面音波によって励起し、そのポテンシャルが単一電子を3 µm ns−1の速度で一次元チャネルに沿って運ぶ。この量子チャネルを数マイクロメートル離れた2個の量子ドットの間に置くと、単一電子は、各々96%と92%の放出と検出の量子効率で一方の量子ドットから他方へと輸送される。さらに、電子の移動はGaAsスピン量子ビットのコヒーレンス時間T2*よりも短い時間スケールで動作させられる。我々の研究によって、凝縮物質系において単一電子スピンのテレポーテーションと空間的に離れた量子ビット間の遠隔相互作用を研究する新しい道が開かれる。

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