Letter 医学:多数の非常に強力な抗体によるHIVの広範囲にわたる中和 2011年9月22日 Nature 477, 7365 doi: 10.1038/nature10373 非常に変化しやすいウイルス病原体を幅広くカバーする中和抗体は、世界中に蔓延しているウイルスに対する治療や予防のために求められている。今回我々は、4人のヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染ドナーの、非常に広範囲にわたって強力な中和反応を示す中和抗体レパートリーを調べ、複数クレードにわたって広い中和活性を示す17の新規モノクローナル抗体を取り出した。新規モノクローナル抗体の多くは、最近報告されたPG9、PG16およびVRC01という広範囲にわたって効果のある中和モノクローナル抗体よりも約10倍強力で、従来のHIV広範囲中和モノクローナル抗体のプロトタイプよりも100倍強力である。これらのモノクローナル抗体は、対応するドナー血清に認められる中和範囲をほぼ再現し、またその多くがウイルスエンベロープ糖タンパク質gp120の新規エピトープを認識し、このことからワクチン設計のための新たな標的が明らかになる。現在利用可能な抗HIV広範囲中和モノクローナル抗体全体の中和解析により、抗体の組み合わせのいくつかは、世界的に広まっているウイルスに見られる高度の多様性に関して、他の組み合わせよりもずっと望ましい有効範囲を示す可能性が明らかになったが、こうした組み合わせは能動もしくは受動免疫療法で求められるだろう。まとめると、全体として低濃度で幅広い範囲をカバーする多数のHIV広範囲中和モノクローナル抗体を複数のドナーから単離したことは、抗体を使用する効果的なHIVワクチンの最終的な設計のための非常に明確な指標となる。 Full Text PDF 目次へ戻る