Letter 宇宙:天の川銀河における渦巻きと外部リング形成に影響を及ぼした、いて座矮小銀河の衝突 2011年9月15日 Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10417 天の川銀河は、それとほぼ同程度の大きさの多くの銀河と同じく、中心部の棒状構造から伸び出す目立った渦状腕を持つ円盤だが、その構造と起源に対する我々の知識は不完全である。天の川銀河の形態を解明するための従来の試みでは、この銀河は大きな外力によって擾乱を受けていないと仮定されてきた。本論文では、いて座矮小銀河(Sgr)の落下に対する天の川銀河の応答のシミュレーションについて報告する。この応答によって、渦状腕が形成され、中心部の棒状構造に影響が及び、円盤外側のフレア構造が生じることがわかった。我々のモデルでは、2つのリング様の包み込みが銀河の反中心方向に生じ、これらは天の川銀河の同領域に観測される低緯度の腕を連想させる。従来のモデルでは、Sgrそのものに注目して、この矮小銀河の軌道の歴史を再現したり、関連した制約を天の川銀河重力ポテンシャルの形状に課したりしており、Sgrの衝突は銀河系円盤にほとんど影響を及ぼさない事象として取り扱ってきた。我々の結果は、天の川銀河の形態が元来、純粋に永続的なものではないことと、宇宙全体にわたって広く見られると予測される低質量の小規模な衝突が、銀河の構造形成におそらく同じくらい重要な役割を果たしていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る