Article 遺伝:lincRNAは多能性と分化の制御回路で働く 2011年9月15日 Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10398 哺乳類では数千のlincRNA(large intergenic non-coding RNA)が同定されているが、機能が明らかにされたものは少なく、それらの生物学的役割については議論がなされている。この問題に取り組むために、我々はマウス胚性幹細胞(ES細胞)で発現している大半のlincRNAについて機能欠失実験を行い、遺伝子発現への影響を調べた。本研究では、lincRNAのノックダウンが、よく知られているES細胞調節因子のノックダウンに匹敵するほどの大きな影響を遺伝子発現パターンに及ぼすことを示す。特に、lincRNAは主としてin transで作用して遺伝発現に影響することは重要である。数十のlincRNAのノックダウンは、多能性状態の終了または分化系列拘束プログラムの上方制御を引き起こす。我々はlincRNAをES細胞の分子回路へ統合して、lincRNA遺伝子が主要転写因子群によって調節されること、そしてlincRNAの転写産物が複数のクロマチン調節タンパク質に結合して、共通の遺伝子発現プログラムに影響を及ぼすことを示す。まとめるとこれらの結果は、lincRNAがES細胞の状態を制御する回路で主要な役割を担っていることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る