Letter 地球:マントルプリュームと巨大火成岩岩石区と環境激変の関連性 2011年9月15日 Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10385 巨大火成岩岩石区(LIP)は、莫大な量のマグマ(100万年以内に最大数百万立方キロメートル)が短期間に生成されたこと、リソスフェアが顕著に薄くなっており、しばしば大陸の分裂で終了したこと、全球的な環境激変と関連があることで知られている。LIPはその重要性にもかかわらず、熱的マントルプリューム頂部の融解により形成されるという基本的な考えさえも議論の的になっている。典型的な例であり最大の大陸LIPである二畳–三畳紀のシベリア・トラップは、厚い大陸塊リソスフェアの上にあり、知られている中で最大の大量絶滅事件と同時期に生じた。しかし、プリューム頂部で起きると予想されているような、マグマ噴出前の隆起や大規模なリソスフェアの伸張の証拠は見つかっていない。さらに、シベリア・トラップからのマグマ性CO2脱ガスの見積もりは、気候危機の引き金となるには不十分と考えられ、積み重なった堆積層からの熱分解起源のガスの放出が大量絶滅を引き起こしたという仮説が導かれている。本論文では、プリューム頂部に大量の(15 wt%)密度の高い再循環した海洋地殻が存在することの岩石学的証拠を提示し、マグマ噴出前の隆起を予測せず、リソスフェアの伸張を必要としない熱力学的モデルの開発について述べる。このモデルは、数十万年間にわたって広範なプリュームの融解と厚い大陸地塊リソスフェアの不均質な浸食が起きることを示唆している。さらに、このモデルは、プリューム頂部の再循環した地殻に大部分が由来するCO2とHClの大量の脱ガスのみで、大量絶滅を引き起こせることを示唆しており、主要な火山活動に先立ってそのような事象が起きたと予測している。この結果は、シベリア・トラップなどのLIPの層序学的および岩石学的データと一致している。 Full Text PDF 目次へ戻る