Letter

進化:過剰な自信の進化

Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10384

作業遂行や精神衛生、さらにはスポーツ、ビジネス、闘争に至るさまざまな領域での成功に、自信は重要な要素になっている。単なる自信ではなく過剰な自信(現実の自分以上に自分が優れていると信じること)が有利に働くと示唆する研究者もいる。なぜなら過剰な自信は、野心、士気、決意、粘り強さ、あるいは虚勢を本物に見せかけるといったことを増強するのに役立ち、それによって予定通りに事は運ぶはずだという気持ちが生まれて、誇張された自信が実際に成功の確率を高めるためである。しかし、過剰な自信は、誤った評価、非現実的な期待、および危険な決断をもたらすこともあり、そのような誤った信念が、正確で偏りのない信念といった競合する戦略を用いる集団中で進化したり定着していたりする背景は謎のままである。本論文では、競争目的の資源から得られる利益が競争のコストに対して十分大きいものであるかぎり、過剰な自信が個人の適応度を最大化し、集団は過剰な自信を持つ傾向を示すという、直観に反する結果を示す進化モデルを提示する。対照的に、偏りのない戦略が安定するのは、限定的な条件下に限られる。過剰な自信を持つ集団が多様な環境で進化的に安定であるという事実は、過剰な自信が傲慢、市場のバブル、財政の崩壊、政策の失敗、災害、さらには犠牲の大きい戦争の原因になっていてもなお、それが現在広く浸透している理由を説明するのに役立つかもしれない。

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