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医学:エボラウイルス感染にニーマン–ピックC1が必須であることが低分子阻害物質により明らかになった

Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10380

エボラウイルス(EboV)は、エンベロープを持つきわめて病原性の高いウイルスで、アフリカでは人畜共通感染症の大流行を引き起こしている。臨床症状は、感染に応答して起こる炎症促進性サイトカインの大量産生として現れ、多くの大流行で死亡率は75%を超える。発症が予測不能なこと、易伝播性、病気の迅速な進行、高い死亡率、それに有効なワクチンあるいは治療法がないことで、EboVに対する社会的関心はきわめて高い。今回我々は、EboV感染を阻害するベンジルピペラジンアダマンタンジアミド誘導体である新規化合物について報告する。変異細胞株とリード化合物の有用な誘導体を用いて、この阻害物質の標的がエンドソーム膜にあるタンパク質ニーマン–ピックC1(Niemann–Pick C1;NPC1)であることがわかった。NPC1は感染に不可欠で、ウイルスの糖タンパク質(GP)に結合する。この抗ウイルス化合物はGPのNPC1への結合を妨害することが見いだされた。今回の結果は、GPの構造と機能に関する従来の研究結果と組み合わせると、エンドソームのカテプシンプロテアーゼ類によるGP1サブユニットの切断によって多数の糖鎖修飾のあるドメインが除去され、これによってアミノ末端ドメインが露出し、このアミノ末端がNPC1に対するリガンドとなってGP2サブユニットによる膜融合を調節しているというEboV感染モデルを裏付けている。したがって、NPC1はEboV侵入に必須であり、抗ウイルス治療の標的となる。

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