Letter 生化学:既知のクロマチン鋳型上でのセントロメアと動原体のin vitro構築 2011年9月15日 Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10379 細胞分裂では、染色体は動原体を介して有糸分裂紡錘体の微小管に結合することにより、新生娘細胞へと分配される。動原体はセントロメアと呼ばれる特殊なクロマチン領域上に形成される。セントロメアの特徴は、ヌクレオソームのヒストンH3がヒストンH3バリアントであるセントロメアタンパク質A(CENP-A)に置き換わっていることである。あらゆる真核生物で、セントロメアと動原体の形成にはCENP-Aが不可欠だが、CENP-Aクロマチンがセントロメアや動原体の構築を引き起こす仕組みは解明されていない。今回我々は、合成CENP-Aクロマチンを作成し、in vitroでセントロメアと動原体の構築の主要な段階を再現した。再構成したCENP-Aは、無細胞抽出液に加えるとそれだけでセントロメアと動原体タンパク質の構築、微小管の結合と安定化が起こり、有糸分裂チェックポイントが機能することがわかった。ヒストンH3/CENP-Aキメラから構築したクロマチンを使うことにより、セントロメア、動原体タンパク質の動員と機能にはCENP-Aの保存されたカルボキシ末端が必要であり、またこれだけで十分で、新たなCENP-Aヒストンの集合に必要なCENP-Aターゲッティングドメインは必要ないことが明らかになった。これらのデータは、正確な染色体分離に必要な基本的要件の中の2つ、すなわち動原体の構築とCENP-Aクロマチンの伝播を、CENP-Aヒストンの異なった部分が担っていることを示している。我々の独特の無細胞系は、クロマチン基質の完全な制御と操作を可能にし、セントロメアと動原体の構築を研究するための強力な手段となるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る