Letter 物理:シリコンにおける低磁場磁気抵抗の幾何学的形状による増大 2011年9月15日 Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10375 不均一性によって誘起される磁気抵抗(IMR)は、一部の非磁性半導体、特にシリコンで報告されており、高磁場の場合にではあるがその効果が大きいことと線形の磁場依存性を示すために、かなりの関心を集めている。キャリア移動度の空間変動がIMRの原因となることは、さまざまな理論によって示されている。本論文では、軽くドープしたシリコンのIMRが、正孔注入によって大幅に増大され、さらに印加電流により低磁場で生じるように調整可能であることを示す。我々の使ったデバイスでは、「不均一性」は、伝導が少数電荷キャリアおよび多数電荷キャリア(正孔と電子)にそれぞれ支配されている領域の間に形成されるp–n境界から生じる。磁場の印加によりこの境界領域の電流が歪み、大きな磁気抵抗が生じる。これは本質的に空間効果であるため、このデバイスの幾何学形状を使ってIMRをさらに増大できる。我々が設計したデバイスでは、低磁場における室温磁場感度が大きく改善されており、磁気抵抗が0.07 Tで10%、0.2 Tで100%に達し、市販されている巨大磁気抵抗素子の性能に近づいている。低磁場に対する高い感度と大きい高磁場応答を組み合わせれば、このデバイスは磁場センシング産業にとって魅力的な考え方となるだろう。さらに、我々のデバイスは従来型のシリコンプラットフォームに基づいているため、既存のシリコンデバイスとの集積が可能で、これはシリコン系磁気エレクトロニクスの開発に役立つと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る