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細胞:エボラウイルスの侵入にはコレステロール輸送体であるニーマン–ピックC1が必要である

Nature 477, 7364 doi: 10.1038/nature10348

フィロウイルス科のエボラウイルスやマールブルクウイルスによる感染は、ヒトに急速進行性の致死的な出血熱を引き起こすが、認可された抗ウイルス薬はない。フィロウイルスの侵入はウイルスのスパイクの糖タンパク質(GP)を介して起こる。このウイルススパイク糖タンパク質がウイルス粒子を細胞表面に接着させて、ウイルス粒子をエンドソームに送り込み、ウイルス膜とエンドソーム膜の融合を触媒する。ウイルス膜の融合には、おそらくエンドソーム区画内にある宿主因子も必要らしいが、かなりの努力にもかかわらず、このような必須の宿主因子がどういう分子なのかはわかっていない。本論文では、ヒト半数体細胞での遺伝学的全ゲノムスクリーニングによって、エボラウイルスの侵入に必要な宿主因子を同定したことを報告する。我々のスクリーニングから、エンドソームのリソソームへの融合に関与するHOPS(homotypic fusion and vacuole protein-sorting)マルチサブユニット繋留複合体の6個の構成因子すべてを破壊する67個の変異と、エンドソーム/リソソームのコレステロール輸送体タンパク質であるニーマン–ピックC1(NPC1)中にある39個の独立した変異が明らかになった。HOPS複合体あるいはNPC1機能を欠損する細胞(ヒトのニーマン・ピック病C1型患者由来の初代培養繊維芽細胞を含む)は、エボラウイルスやマールブルクウイルスによる感染に抵抗性を示すが、それと類縁関係のない一連のウイルスには完全な感受性を示す。フィロウイルスの糖タンパク質が仲介する膜融合や小胞区画からのウイルスの脱出にはNPC1タンパク質が必要であり、これはコレステロール輸送におけるNPC1の既知の機能とは無関係であることがわかった。我々の知見は、フィロウイルスが使っている侵入経路の独特の特徴を明らかにし、このような致死性のウイルスに有効と考えられる抗ウイルス戦略を示している。

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