Letter 宇宙:中心ブラックホールの存在場所に位置するM87電波ジェットの起源 2011年9月8日 Nature 477, 7363 doi: 10.1038/nature10387 活動銀河核からの強力な電波ジェットは、超大質量ブラックホール(「中心エンジン」)への物質の降着によってエネルギーを供給されていると考えられている。M87は、この現象について最も近くにある例であり、そのジェットの構造はシュワルツシルト半径(Rs、事象の地平面の半径)のおよそ100倍のスケールで調べられている。しかし、ジェット基部(明るいコンパクトな電波「コア」)に対して中心のブラックホールが占める相対的位置は明らかになっていない。他のジェットの観測では、中心エンジンは電波コアからおよそ104〜106 Rs上流側に位置していることが示されている。本論文では、約20マイクロ秒角の位置精度を可能にした、6つの周波数でのM87の電波観測について報告する。ジェット基部は高い周波数でより透過性が高まるので、電波コアに対する複数の周波数での計測によってジェット上流端の決定が可能になる。データは、M87の中心エンジンが43 GHzで電波コアの14〜23 Rs以内に位置することを明らかにしている。このことは、ブラックホールへ物質が落ち込む場所とジェットの最終的な起源が43 GHzでの画像に見られる、明るいコンパクトな領域に存在することを意味している。 Full Text PDF 目次へ戻る