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細胞:ヘムオキシゲナーゼは腫瘍抑制因子であるフマル酸ヒドラターゼと合成致死性を示す

Nature 477, 7363 doi: 10.1038/nature10363

フマル酸ヒドラターゼ(FH)はトリカルボン酸回路(TCA回路)の酵素で、フマル酸を水和してリンゴ酸にする反応を触媒する。FHの生殖細胞系列変異は遺伝性平滑筋腫症および腎細胞がん(HLRCC)を引き起こす。これまでに、FHが存在しないと、フマル酸の蓄積が起こり、それによって正常な酸素圧下で低酸素誘導因子(HIF)が活性化されることが示されている。しかし、今までのところ、TCA回路が機能していなくても細胞が生存できることを説明する機構は示されていない。本論文では、Fh1を欠失させた遺伝子改変マウス腎細胞の特徴を新たに明らかにし、このような細胞の代謝について新しく開発したコンピューターモデルを使って、グルタミン取り込みから始まり、Fh1欠損細胞からのビリルビン排出で終わる線形代謝経路を予測し、実験的に実証した。この経路にはヘムの生合成と分解がかかわっており、この経路によってFh1欠損細胞は蓄積したTCA回路代謝産物を使えるようになり、ミトコンドリアのNADH産生の一部が可能になる。我々は、この経路を標的とすれば、野生型Fh1含有細胞を損傷することなく、Fh1欠損細胞を生存不能にできると考え、それを確認した。この研究は、Fh1欠損細胞で誘導される代謝経路の同定にとどまらず、ヘム酸素化の阻害はFh1欠損と組み合わされた場合に、合成致死となることを実証しており、HLRCC患者治療の新しい標的候補を明らかにしている。

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