Letter 物性:高温超伝導体YBa2Cu3Oy中の磁場誘起電荷ストライプ秩序 2011年9月8日 Nature 477, 7363 doi: 10.1038/nature10345 銅酸化物(CuO2)面に導入された電子電荷は、高転移温度(Tc)超伝導を発生させるが、特殊な状況下では秩序化してストライプと呼ばれる線条を形成することもある。しかし、電荷秩序化傾向はすべての銅酸化物に内在しているのかどうか、また、この傾向が超伝導と何らかの関係があるのかどうか、という2つの問題については、異論が非常に多い。その基盤となる電子秩序を明らかにするには、超伝導を不安定化できるほど強力な磁場が用いられる。これまで電荷秩序が観測されていないきわめて清浄な銅酸化物であるYBa2Cu3Oyにおける量子振動などのそのような実験からは、超伝導は電荷秩序ではなくスピン秩序と競合することが示唆されている。今回我々は、実際に高磁場によってYBa2Cu3OyのCuO2面にスピン秩序を伴わずに電荷秩序が生じることを示す核磁気共鳴測定結果について報告する。観測された静的な一方向性の電荷密度変化が並進対称性を破るため、量子振動が起こることに説明が付けられる。また、電荷密度変化がほぼ確実に、ストライプ秩序を持つ銅酸化物と同じ4a周期変化であることを示す。電荷秩序は、超伝導が消失しつつあり、しかもLa2−xBaxCuO4に見られるのと同じ1/8ホールドーピング付近の状態でのみ現れる。このことは、電荷秩序が、YBa2Cu3OyではCuO鎖によって電荷秩序が明らかにピン止めされているものの、高Tc銅酸化物の超伝導面に固有の傾向であることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る