Letter

生化学:亜酸化窒素還元酵素の[4Cu:2S]銅–硫黄クラスターにおけるN2O結合

Nature 477, 7363 doi: 10.1038/nature10332

亜酸化窒素(N2O)は、自然的また人為的な過程により発生し、環境化学において非常に重要な役割を果たしている。亜酸化窒素は、ヒドロクロロフルオロ炭素と同様のオゾン破壊能と、CO2の300倍を超える地球温暖化能を持つ。細菌の脱窒素過程では、N2Oは銅含有亜酸化窒素レダクターゼ(N2OR)によりN2へと還元される。この酵素は、混合原子価CuA中心と、独特の四核CuZ部位を持つ。以前の構造データは空気の存在下で単離された酵素を使って得られたもので、こうした酵素は事前に還元しておかないと触媒活性を示さない。そのCuZ部位は[4Cu:S]中心と報告されており、基質結合様式と還元機構はよくわかっていなかった。今回我々は、酸素非存在下で処理されたPseudomonas stutzeri由来の紫色N2ORの構造を報告し、N2O加圧下での結晶中の基質位置を決定した。活性型CuZクラスターは2個の硫黄原子を持ち、化学量論的には[4Cu:2S]で、N2OはCuZのCuAに近接した側面に結合している。基質が2つのクラスターの間に位置することで、電子はCuAからN2Oへ直接伝達され、N2Oは[4Cu:2S]中心の表面にある特異的な結合ポケットでの側面結合により活性化される。これらの結果は、以前の構造では説明できなかった、N2ORの既知の生化学データの多くと整合し、2つの金属中心とその間にあるタンパク質が協調的に働いて触媒反応を達成する機能的経路の概要を示している。この構造は、還元酵素に結合したN2Oの、我々が知るかぎりで初めての直接観察であり、不活性の小分子基質を活性化する金属酵素の機能性を明らかにしている。基質の活性化と還元にそれぞれ別のクラスターを用いるという原理は、同様の系、特に窒素固定ニトロゲナーゼとも関係があるだろう。

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