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免疫:TSLPはインターロイキン-3非依存的に好塩基球の機能分化を制御するとともに2型炎症を促進する

Nature 477, 7363 doi: 10.1038/nature10329

インターロイキン(IL)-4、IL-5、IL-9およびIL-13の発現を特徴とするCD4+ 2型ヘルパーT(TH2)細胞は、寄生蠕虫に対する免疫に必要であり、また喘息やアレルギー疾患に関連する病的な炎症を促進する。サイトカインTSLP(thymic stromal lymphopoietin)をコードする遺伝子の多型性は、ヒトの多様なアレルギー疾患の発症と関連しており、TH2サイトカインが関連する炎症疾患に対して、TSLPが非常に重要な調節因子であることが示されていた。患者における多量のTSLP産生が喘息、アトピー性皮膚炎そして食物アレルギーと関連することで遺伝学的解析が裏付けられ、またマウス実験系の研究により、TSLPがTH2サイトカインを介した免疫および炎症を促進することが証明された。しかしながら、TSLPがTH2サイトカイン応答を誘導するメカニズムは明らかになっていない。今回我々は、TSLPが全身性の好塩基球増多症を促進すること、TSLP–TSLPR相互作用を妨げることによって好塩基球応答が障害されること、また正常なTSLPRを持つ好塩基球がin vivoにおいてTH2細胞依存的な免疫反応を回復できることを証明する。TSLPは骨髄に常在する前駆細胞に直接作用して選択的に好塩基球応答を促す。重要なことに、TSLPはIL-3–IL-3Rが正常な環境でも、欠損した環境でも好塩基球応答を誘導することができ、また全ゲノムを対象にした遺伝子プロファイルと機能的解析からTSLP誘導性とIL-3誘導性の好塩基球は異なる性質を持つことを明らかにした。さらに、ヒトにおいても活性化好塩基球はTSLPRを発現しており、また好酸球性食道炎患者から単離した好塩基球は古典的なものとは異なるTSLP誘導型の好塩基球になっていた。総合すると、これらの研究は今まで知られていなかった好塩基球細胞系列の不均一性を明らかにし、またTSLP発現が、好塩基球生成の調節と、TH2サイトカインを介した炎症を促進する、機能的に異なる好塩基球集団の誘導によって、多様なアレルギー疾患に対する感受性に影響を与える可能性を示している。

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