Article 遺伝:生物医学的および薬理学的研究に見られるヒト代謝の個体的特性 2011年9月1日 Nature 477, 7362 doi: 10.1038/nature10354 全ゲノム関連解析(GWAS)により、多因子疾患のリスクにかかわる遺伝子座が多数同定されてきたが、効果量(effect size)は概して小さく、基盤となる生物学過程に関する情報は多くの場合欠如している。代謝形質を機能的中間体として関連解析することで、これらの問題の克服が可能になり、個別化治療のための情報が得られると考えられる。今回我々は、GWASと非標的型メタボロミクスを併用して行った、遺伝子型依存的な代謝表現型の包括的解析について報告する。血中代謝産物濃度と関連する遺伝子座が37個同定され、そのうち25個はGWASにしては著しく高い効果量を示し、対立遺伝子1コピーあたりの代謝産物レベルに見られる10〜60 %の差異が説明された。この関連解析は、心血管および腎臓疾患、2型糖尿病、がん、痛風、静脈血栓塞栓症、クローン病など、これまでの研究で報告されてきた多くの疾患関連解析を考察するための新たな機能的手がかりとなる。今回の研究で、ヒト代謝の個体的特性の遺伝的基盤に対する解明が進み、生物医学的および薬理学的研究のための新しい仮説が多数立てられる。 Full Text PDF 目次へ戻る