Letter 細胞:ホスホコリントランスフェラーゼタンパク質による、Rab GTPアーゼ機能の修飾 2011年9月1日 Nature 477, 7362 doi: 10.1038/nature10335 レジオネラ菌の1種で細胞内病原体であるLegionella pneumophilaは、宿主のGTPアーゼ活性を変化させて、膜に囲まれた細胞区画の輸送と集合を引き起こし、その内部に住みつく。in vitro実験により、レジオネラのタンパク質DrrAがGTPアーゼであるRab1を、AMP化と呼ばれる反応で翻訳後に修飾することが示されている。今回我々は、レジオネラが宿主細胞に感染した際に起こるRab1の翻訳後修飾を、質量分析法によって調べた。感染の際に、Rab1のスイッチII領域にある保存されているチロシン残基が、DrrAを介してAMP化されるのが観察された。これは、in vitro実験の結果と一致する。さらに、チロシンに隣接するセリン残基が修飾されることもわかり、これはDrrAには無関係であり、この修飾に必要なのは、レジオネラのエフェクタータンパク質AnkXであった。生化学研究により、AnkXが直接働いて、Rab1にホスホコリン単位を共有結合により付加することが明らかになった。このホスホコリントランスフェラーゼ活性はCDP-コリンを基質としており、その作用には、AnkXタンパク質のFICドメインにある保存されたヒスチジン残基が必要である。感染の際にAnkXはRab1とRab35の両方を修飾する。AnkXが、宿主細胞のエンドサイトーシス経路あるいはエキソサイトーシス経路を介した膜輸送の両方に影響を与える仕組みが、これで説明される。したがって、Rab GTPアーゼのホスホコリン化は、FICドメインを含む細菌タンパク質が宿主細胞の機能を変化させることを可能にする仕組みだと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る