Article

発生:Lgr5ホモログはWnt受容体と会合してR-spondinシグナル伝達を仲介する

Nature 476, 7360 doi: 10.1038/nature10337

成体幹細胞マーカーLgr5およびその類縁体Lgr4は、Wntに駆動される増殖性区画で共発現されることが多い。我々は、マウスの腸でこの2つの遺伝子を条件的に欠失させると、Wntの標的である遺伝子の発現が阻害されて腸陰窩が急速に壊死し、Wntシグナル伝達経路阻害の表現型模写が起こることを見いだした。質量分析の結果から、Lgr4およびLgr5はFrizzled/Lrp Wnt受容体複合体と会合していることが示された。分泌性Wntシグナル伝達経路のアゴニストである4種類のR-spondinはどれも、Lgr4、5および6との結合が可能である。HEK293細胞でRSPO1は、WNT3Aによって開始される典型的WNTシグナルを増強する。LGR4の除去はWNT3Aシグナル伝達には影響を及ぼさないが、RSPO1を介したシグナル増強を抑制し、この現象はLGR4、5または6の再発現によって救済される。マウス腸陰窩培養細胞でのLgr4/5遺伝子の欠失は、Rspo1除去を表現型模写するが、Wntシグナル伝達経路の活性化によって救済される。Lgr5ホモログはWnt受容体の条件的構成因子で、可溶性R-spondinタンパク質によるWntシグナルの増強を仲介する。以上の結果は、Lgr5ホモログを発現する組織の再生を目的としたR-spondin応用のための研究を導くものとなる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度