Letter 心理:小児では協力によって均等分配が促進されるがチンパンジーでは促進されない 2011年8月18日 Nature 476, 7360 doi: 10.1038/nature10278 ヒトは、ほかの大型類人猿と比較して、個体間の資源共有の程度がはるかに大きく、ヒトでは公平や公正といった社会規範によって共有するかどうかが決まる場合が多い。協力せずに資源を得た場合、小児は5〜7歳で他者と公平に分かち合う傾向を示し始める。しかし、原始時代にヒトが資源共有を始めたのは、協力して行う採餌活動の後、共同作業の成果を複数で分け合わなければならないような状況であったことはほぼ間違いない。今回我々は、共同作業を行った3歳前後の幼児は、協力せずに資源を得た場合や並行作業を行った場合に比べて、はるかに公平に分け合うことを明らかにする。対照的に、ヒトに最も近い2種の類人猿のうちの一方であるチンパンジー(Pan troglodytes)は、共同で活動したかどうかによらず、「分配」(別の個体への食物の提供)の頻度は同程度であった。この種差は、ヒトが資源を公平に分け合う傾向の進化的起源が、共同作業後の成果の分配にある可能性を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る