Letter 進化:中国で出土した無顎魚類の化石は初期有顎脊椎動物の構造の原型を示す 2011年8月18日 Nature 476, 7360 doi: 10.1038/nature10276 現生脊椎動物の多くは有顎脊椎動物(顎口類)であり、現生の無顎脊椎動物(円口類;ヌタウナギ類およびヤツメウナギ類)からは、顎の進化的出現に際して起こった脊椎動物頭蓋の大がかりな再編に関する情報がほとんど得られない。皮骨で覆われた絶滅無顎脊椎動物である「甲皮類」は、有顎脊椎動物の祖先に当たると考えられており、脊椎動物の進化で起こったこの造形的事象に関する手がかりが得られる。今回我々は、中国およびベトナムで見つかった4億3,500万〜3億7,000万年前の「甲皮類」の一群であるガレアスピス類の頭蓋の構造を、シンクロトロン放射X線断層撮影法で明らかにした。ガレアスピス類が持つ1対の鼻嚢は頭蓋内の前外側に位置し、下垂体管は口腔に向かって前方に開いている。この3つの構造(1対の鼻嚢および下垂体管)は、円口類および骨甲類(「甲皮類」の別の一群)とは異なり、顎口類と同じく、すでに互いに独立しており、したがって現在の発生モデルが顎の発生に必要と考える条件を備えていた。このことは、脊椎動物の頭蓋構造の再編が、顎の進化的出現によって決定論的に推進されたのではなく、段階的に起こったものであり、頭蓋再編によって最終的に、現在は顎口類の頭部発生の特徴とされている外胚葉系間充織の吻側の成長が可能となったことを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る