Letter 細胞:MCUがミトコンドリアのカルシウム単一輸送体の必須成分であることの統合的ゲノミクスによる同定 2011年8月18日 Nature 476, 7360 doi: 10.1038/nature10234 さまざまな生物で、ミトコンドリアはルテニウムレッド感受性で膜電位に依存する機構によって大量のCa2+を輸送でき、この装置は単一輸送体と呼ばれている。単一輸送体の生物物理学的特性については広範な研究が行われてきたが、その分子組成は解明されていない。我々は最近、比較プロテオミクスを用いて、単一輸送体の調節因子として働くと考えられるEFハンド含有タンパク質MICU1(CBARA1とも呼ばれる)を同定した。本論文では、全ゲノム系統発生プロファイリング、ゲノム規模でのRNAの同時発現解析、細胞小器官規模でのタンパク質の同時発現解析により、MICU1と機能的に関連するタンパク質の推定を行った。これら3つの手法すべてが一致して示したのが、膜貫通型と推定される新規なタンパク質CCDC109Aで、我々はこれを「ミトコンドリアカルシウム単一輸送体(MCU)」と命名した。MCUはミトコンドリア内膜内でオリゴマーを形成し、MICU1と物理的に結合し、高分子量の大型複合体中に存在する。培養細胞、あるいはin vivoマウス肝臓でMCUのサイレンシングを行うと、ミトコンドリアのCa2+取り込みが著しく阻害されるが、ミトコンドリアの呼吸や膜電位は全く影響を受けないままである。MCUには膜貫通ヘリックスと思われるものが2本あって、この2つの間にある高度に保存されたリンカー領域は膜間腔に露出している。MCUが完全な活性を示すには、このリンカー中の酸性アミノ酸残基が必要である。一方、S259Aという点変異では機能は維持されるが、単一輸送体の最も強力な阻害剤であるRu360に対する耐性が生じる。これらのゲノムデータ、生理学的、生化学および薬理学的データは、MCUがミトコンドリアCa2+単一輸送体の必須成分であることを明確に示している。 Full Text PDF 目次へ戻る