Article

化学:有機カスケード触媒反応による天然物の集団的合成

Nature 475, 7355 doi: 10.1038/nature10232

有機化学では現在、十分な時間と資源と労力があれば、ほぼすべての既知天然物を、少量ならば合成可能である。しかし、基礎科学における全合成の成功を、複雑天然物の大規模合成や多種類の生体関連分子の開発に移行させることは、合成化学における重要な難問である。今回我々は、自然から着想を得た2つの手法、すなわち有機カスケード触媒反応と天然物の集団的合成(collective synthesis)を用いれば、多様な構造を持つさまざまな天然物について、共通の分子骨格から有用量を容易に合成しうることを示す。この考え方の実効性は、よく知られた6種類のアルカロイド天然物であるストリキニーネ、アスピドスペルミジン、ビンカジホルミン、アクアンミシン、コプサノン、コプシニンの容易な不斉全合成により実証されている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度