Letter 宇宙:木星のガスに駆動される初期の移動によって生じた火星の小さな質量 2011年7月14日 Nature 475, 7355 doi: 10.1038/nature10201 木星と土星は、ガスが支配的な原始惑星系円盤から数百万年かけて形成され、その軌道はわずか約10万年という時間スケールで、ガスに駆動されての移動を起こしやすい。流体力学的シミュレーションでは、これらの巨大な惑星が内側へ移動した後に外側へ移動するという、2段階の移動を起こしうることが示されている。地球型惑星はそれよりかなり後になって降着を終え、それらの特性は、火星の小さな質量を含めて、外縁部が太陽からおよそ1天文単位(AU)のところに位置する微惑星円盤から出発することで最もよく再現される(1 AUは地球–太陽間の距離)。本論文では、木星が内側へ1.5 AUまで移動した後に外側へと移動し、1 AUの位置に断ち切られた微惑星円盤を形成したことを示す初期太陽系のシミュレーションについて報告する。このシミュレーションでは、地球型惑星はその後の3,000万〜5,000万年をかけてこの円盤から形成されたと考えられ、地球と火星の質量比は観測値と一致する。木星による散乱で、小惑星帯はいったん空になった後に再び小惑星が分布し、内側の小惑星帯の天体は1 AUから3 AUの間に起源を持ち、外側の小惑星帯の天体は巨大惑星との間、およびそれ以遠を起源とする。これによって、小惑星帯にわたって見られる構造の相当な違いが説明される。地球型惑星形成のこれまでのモデルに欠けていた重要な部分は、巨大惑星のかなり大規模な動径方向移動であり、このことは、こうした巨大惑星の挙動が、太陽系外惑星で推定されている挙動にこれまで考えられていたよりもよく似ていることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る