Letter

生化学:アミロイド繊維形成に対する非天然型アミノ酸阻害剤の構造に基づく設計

Nature 475, 7354 doi: 10.1038/nature10154

多くの球状タンパク質や本来的に秩序立った構造を持たないタンパク質は、アミロイド繊維に変わる可能性がある。アミロイド繊維は正常な細胞機能にかかわるとともに、さまざまな疾患にも関連があり、タンパク質が変性する際に頻繁に形成される。病気の原因になるアミロイド繊維形成の阻害剤が見つかり、その特異性が十分に高くて正常な過程への影響が避けられるならば、それは治療法の開発に役立つ可能性がある。今回我々は、構造に基づくコンピューター支援設計によって、非常に特異性の高いアミロイド繊維形成阻害ペプチドが作れることを示す。既知のアミロイド繊維の一部の原子構造を鋳型として、アルツハイマー病に関係するタウタンパク質の繊維形成を阻害するD-アミノ酸だけからなる阻害剤と、ヒト免疫不全ウイルスの性感染を促進するアミロイド繊維に対する、非天然型L-アミノ酸からなる阻害剤を設計し、その性質を調べた。今回の結果から、構造に基づいて設計されたペプチドによって、完全長タンパク質の繊維形成が妨げられることが示された。このようなタンパク質には、タウタンパク質のように、本来十分秩序立った構造を持たないタンパク質も含まれる。この阻害性ペプチドは、2つのβシートを持つ「立体ジッパー」の構造をもとに設計されているので、アミロイド繊維形成がうまく阻害できたことは、アミロイドのスパイン構造に立体ジッパーが含まれているという仮説を裏付けている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度