Letter 医学:ガンマグロブリン静脈注射は新規のTH2経路を介して炎症を抑制する 2011年7月7日 Nature 475, 7354 doi: 10.1038/nature10134 高用量の静脈注射用免疫グロブリンは、高純度免疫グロブリンG(IgG)抗体の広く利用されている治療用製剤で、さまざまな臨床状況において、自己抗体が誘導する炎症の抑制を目的として高用量(キログラム当たり1〜2グラム)投与される。この免疫グロブリン静注の抗炎症効果は、IgGの結晶性断片(Fc)中の少数を占める集団で末端にα2,6シアル酸を持つグリカンを含むsFcによって誘導される。sFcは、レクチンDC-SIGN(dendritic-cell-specific ICAM-3 grabbing non-integrin、CD209としても知られる)を発現している骨髄系の調節性細胞を標的とする。今回我々は、この応答を詳細に解析するために、ヒト化DC-SIGNマウス(hDC-SIGN)を作製し、免疫グロブリン静注の抗炎症活性は、sFcで処理した骨髄由来hDC-SIGN+マクロファージもしくは樹状細胞を未処理のレシピエントへ移植することによって再現できることを実証した。さらに、sFc投与はIL-33の産生をもたらし、それがエフェクターマクロファージ上の抑制性Fc受容体FcγRIIBの発現増加を促すIL-4産生性好塩基球の増殖を誘導する。このTH2サイトカインであるIL-33またはIL-4の全身性投与により、マクロファージ上のFcγRIIBの発現が増加し、血清により誘導される関節炎が抑制される。これらの結果と一致して、IL-33で処理した好塩基球を移植すると、誘導された関節炎が抑制された。内在性リガンドであるsFcによって開始されるこの新しいDC-SIGN–TH2経路は、免疫の恒常性を保つために本来備わっている機構であり、これを操作することは自己免疫疾患の治療に役立つかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る