Letter 物理:光吸収における近藤相関の量子クエンチ 2011年6月30日 Nature 474, 7353 doi: 10.1038/nature10204 単一閉じ込めスピンと電子リザーバーのスピンが相互作用すると、多体物理学で最も注目されている現象の1つである近藤効果が生じる。単一の人工原子、つまり量子ドットに関する電子輸送測定によって、この効果をきわめて詳細に研究することが可能になっている。本論文では、縮退電子ガスとトンネル結合した単一半導体量子ドットの光学測定の結果を報告する。単一光子が吸収されると、この系のハミルトニアンが急激に変化し、近藤相関の量子クエンチが起こることが示された。実験の吸収線形状から特徴的なべき乗指数を推測して、初期と最終の多体波動関数の重なりがゼロになって起こるアンダーソン直交性カタストロフィーの形をしたクエンチの特異な特徴が見いだされた。直交性の程度を決めるべき乗指数は外部磁場を使って調整できることを示す。これから、観測された吸収線の形状は近藤相関から生じることが明確に実証される。我々の実験結果は、単一人工原子での光学測定によって、これまで輸送分光法でしか研究されていなかった多体現象に新しい展望が得られることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る