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医学:VpxはSAMHD1タンパク質によって仲介されるマクロファージのHIV-1感染抑制を解除する

Nature 474, 7353 doi: 10.1038/nature10195

マクロファージや樹状細胞は、ウイルス感染に重要な役割を担っており、ウイルスのリザーバー細胞となってしばしば抗ウイルス療法抵抗性の原因となったり、自然免疫によるウイルス検出を抗ウイルス適応免疫応答に関連させたりする。ヒト免疫不全ウイルス1(HIV-1)は、樹状細胞には形質導入できず、また、マクロファージでも形質導入を起こしにくい。これは、ウイルスの相補DNAの効率よい合成を妨げることで感染を阻害する機構が存在するためだが、この機構の詳細は明らかになっていない。対照的に、HIV-2とそれに近縁のサル免疫不全ウイルス(SIVsm⁄mac)は、こうした感染抑制機構に対抗するビリオン関連アクセサリータンパク質Vpxが存在するために、骨髄系細胞で効率的に形質導入を起こす。本論文では、マクロファージでのHIV-1感染抑制には、細胞内のSAM domain HD domain-containing protein 1(SAMHD1)が関与していることを示す。Vpxは、SAMHD1をCRL4DCAF1E3ユビキチンリガーゼに結合させ、プロテアソームに依存して非常に効率よく分解させることで、マクロファージでのレンチウイルス感染抑制を解除する。SAMHD1の変異は、先天性ウイルス感染の影響を模倣する表現型を示すアイカルディ・ゴーシェ症候群を引き起こす。アイカルディ・ゴーシェ症候群では内因性の核酸断片が分解されないために、細胞質の核酸センサーを介して不適切な自然免疫応答が引き起こされる。したがって、今回の知見は、マクロファージは自己の核酸が引き起こす不必要なインターフェロン応答を防止する機構によってHIV-1感染から守られていることを示しており、自己あるいは病原体であるレトロウイルスに対する応答をそれぞれ制御する自然免疫機構の間に見られる、入り組んだ関係を明らかにしている。

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