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遺伝:ゲノムアイランドの可変性が、プロクロロコッカス属とウイルスの共存を促進する

Nature 474, 7353 doi: 10.1038/nature10172

プロクロロコッカス属(Prochlorococcus)のシアノバクテリアは海洋にきわめて大量に存在し、これに感染するウイルスも非常に多い。自然界で宿主とウイルスが共存する仕組みはよくわかっていないが、ウイルス感染する感受性細胞と感染しにくい抵抗性細胞の両方が存在することが、こうした共存を可能にしているのかもしれない。現在では全ゲノムシーケンシングとPCRスクリーニング法とを組み合わせることによって、抵抗性がゲノム進化に及ぼす影響や、プロクロロコッカス属と感染ウイルスとの長期にわたる共存の基盤となるゲノム機構を調べることが可能である。今回我々は、10種類のウイルスに抵抗性を持つプロクロロコッカス属77亜株を選んでゲノム解析を行い、変異のほとんどが、1個の超可変性ゲノムアイランドに局在する、進化的に保存されておらず、水平伝播した遺伝子群に見られることを示す。変異はウイルスの宿主細胞表面への付着に影響を及ぼし、宿主に適応度コストを負わせていた。このことは、抵抗性を持つ宿主亜株のかなり遅い増殖速度や、ほかのウイルスへのより速い感染(その仕組みはまだ知られていない)にはっきり示されている。これらの変異遺伝子は一般に自然界ではまれだが、一部の遺伝子にはこの実験で見つかった変異と一致する多型も存在する。これらのデータは、ウイルスの付着にかかわる遺伝子がゲノムアイランドに選択的に局在すること、またウイルスが選択圧となってアイランド遺伝子とアイランド遺伝子含量の両方の多様性を高めることを示す実験的な証拠である。この多様性は、ある1つのウイルスが感染するのに有効な宿主個体群サイズを小さくするというゲノム機構として生じ、それに伴ってウイルスと宿主との自然界での長期にわたる共存を促進している。

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