Letter 光学:2個の光子で励起された1個の原子から放出されるスクイーズド光の観測 2011年6月30日 Nature 474, 7353 doi: 10.1038/nature10170 原子などの単一量子発光体は、強度ノイズが低く、所定の時間に光子を1個ずつ生成できる非古典的光源としてよく知られている。しかし、1個の原子によって放出される光場は、はるかに豊かなダイナミクスを示しうる。顕著な例として、振幅ゆらぎや位相ゆらぎがショットノイズレベル未満の直交スクイーズド光を、1個の原子で生成できることが予測されている。しかし、そのようなスクイージングは、単一光子放出よりもはるかに観測が困難である。スクイーズドビームは原子数十個までのマクロスコピック媒質やメゾスコピック媒質を用いて生成されているが、努力にもかかわらず、単一原子スクイージングはこれまで実験的に観測されたことがなかった。今回我々は、高フィネス光共振器中で1個の原子でスクイーズド光を発生させている。原子と共振器場との強い結合によって、真の量子力学的非線形性が生じる。この非線形性は、一般的なマクロスコピック媒質中よりも数桁大きい。これによって、系の寿命当たり平均してわずか2個の光子しか含まない励起ビームで、観測可能な直交スクイージングが生じる。単一光子の放出とは大きく異なり、スクイーズド光は、系から放出される光子対の量子コヒーレンスに由来する。1個の原子伝搬光子間の強いコヒーレント相互作用を生じさせうることから、単一発光体によるフォトニック量子論理に新たな展望が開かれる。 Full Text PDF 目次へ戻る