Letter 発生:胚の内胚葉指定を制御する遺伝子調節ネットワーク 2011年6月30日 Nature 474, 7353 doi: 10.1038/nature10100 左右相称動物の胚発生において、内胚葉の指定は消化管形成の必須条件である。近年の細胞系譜標識解析により、ウニ胚のモデル系でveg1とveg2細胞系譜の子孫が内胚葉となり、さらにveg2系は中胚葉の細胞種にもなることが示されている。Wnt⁄β-カテニンシグナル伝達経路は内胚葉指定に必要であり、Delta⁄Notchシグナル伝達経路は中胚葉指定に必要であることがわかっている。これらのシグナルの直接的なシス調節の標的はいくつか見つかっており、前原腸胚の内胚葉系中胚葉では遺伝子発現の多様な現象論的パターンが観察されている。しかし、ウニでもほかのどの新口動物でも、内胚葉指定の原因についての包括的説明はまだなされていない。今回我々は、基礎となるゲノム制御系に基づいて、そうした包括的説明の1つとなる、数段階の生物学的組織化で構築されたモデルを提案する。この制御系の固定された中心部は、内胚葉調節遺伝子のシス調節装置から構成されており、これらの遺伝子がさらされる入力とその出力との関係を決定する。内胚葉指定の動的過程を制御するこのネットワーク回路の構造は、生物学的過程を作り出す発生の論理演算の順序を系レベルで説明する。この制御系は、veg2由来細胞で非相互作用性の内胚葉および中胚葉遺伝子調節ネットワークを起動し、中胚葉前駆細胞で内胚葉遺伝子調節ネットワークを消滅させる。また、veg2子孫細胞において予定前方内胚葉を指定する相互調節ネットワークを生成し、veg1由来細胞において後方内胚葉を指定する別のネットワークを設定する。このネットワークモデルは、内胚葉指定とゲノム調節コードを関連付けて説明する枠組みを提示している。 Full Text PDF 目次へ戻る