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進化:オーストラリアで見つかったカンブリア紀前期の節足動物の保存状態がきわめて良好な眼には、現生の眼が示す光学的特性が見られる

Nature 474, 7353 doi: 10.1038/nature10097

眼は「究極まで完成された器官」の1つだと言われるが、理論的には、複雑な眼の進化はきわめて短い期間で可能であることが示唆されている。これまでの化石記録は、多くの動物分類群の最初の放散である「カンブリア爆発」の際に起こった、眼の初期進化に関する手がかりを得るには不十分であった。カンブリア紀のバージェス頁岩型堆積物には、眼を有するきわめて保存状態が良好な動物化石、特に節足動物の化石が豊富に含まれているので、これは意外なことである。しかし、生体鉱化作用を受けた三葉虫の眼を別にすれば、その光学的設計の細部に関してはほとんどわかっていない。本論文では、南オーストラリア州のカンブリア紀前期(約5億1,500万年前)のエミュ・ベイ頁岩で発見されたきわめて保存状態が良好な眼の化石について報告し、最古の節足動物の一部が高度に発達した複眼を有していたことを明らかにする。これらの眼のそれぞれには、3,000個を超える大きな個眼レンズと、特殊化した「明領域(bright zone)」が備わっている。これらは、生体鉱化作用を受けずに詳細な構造が見られる眼の化石としては最古のものであり、保存状態の良好さもバージェス頁岩や澄江堆積物のものを上回る。同じくらい複雑で生体鉱化作用を受けていない眼の化石は、これ以外だと8,500万年ほど後の時代まで記録がない。レンズの配置および大きさは、これらの眼が低光量環境で物を見ることができる活動的な捕食者のものであったことを示している。これらの眼は、同時代の三葉虫の眼よりも複雑であり、多くの現生動物の眼に匹敵するほど高度なものである。この化石群は、カンブリア爆発では全体的な形態に加えて微細な構造の面でも急速な革新があったことを示すさらなる証拠となり、高度な視覚の発達がカンブリア爆発という重大な進化的事象の進展に寄与したという考え方と整合する。

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