Article 細胞:コンデンシンのヒストンH2Aとの結合が、分裂期染色体を形作る 2011年6月23日 Nature 474, 7352 doi: 10.1038/nature10179 細胞分裂の際には、染色体構造は制御されながら大きく変化するが、この制御の一部を担っているのがコンデンシンである。有糸分裂後期に起こる染色体分離には、染色体腕部へのコンデンシンの局在が不可欠である。またコンデンシンは動原体にも多く存在するが、その詳しい役割と局在機構についてはまだ解明されていない。今回我々は、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)の動原体タンパク質Pcs1とMde4が動原体でコンデンシンの「誘導役」を務めていることを明らかにする(Pcs1とMde4は出芽酵母[Saccharomyces cerevisiae]のモノポリンのサブユニットのホモログであり、動原体のメロテリック結合[紡錘体の両極から伸びた微小管が片方の動原体に結合する異常]を防ぐことが知られている)。また、コンデンシン自体が有糸分裂中期に微小管結合部位を固定する働きをしている可能性があることもわかった。コンデンシンのクロマチンへの結合は、局所的な誘導因子に加えて、全体として染色体パッセンジャー複合体のオーロラBキナーゼによって制御されている。オーロラBがコンデンシンをリン酸化すると、コンデンシンのヒストンH2A、H2A.Zへの結合が促進され、これらのヒストンがクロマチン上の保存されたコンデンシン「受容体」であることが明らかになった。コンデンシンのリン酸化と染色体腕部への局在が最大に達するのは分裂後期で、このときオーロラBキナーゼはセントロメアから、分離中の染色体腕部が位置する紡錘体中央領域へと移動する。これらの結果から、染色体分離にきわめて重要な、分裂期染色体の構造の時間的空間的な制御の分子基盤が明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る