Article 構造生物学:BRI1によるブラシノステロイド感知に関する構造的考察 2011年6月23日 Nature 474, 7352 doi: 10.1038/nature10178 ブラシノステロイドは、植物の成長や発生に重要な役割を果たしている必須の植物ホルモン群である。ブラシノステロイドの感知には、BRI1(BRASSINOSTEROID-INSENSITIVE 1)とBAK1(BRI1-ASSOCIATED KINASE 1)からなる活性型複合体が必要である。ブラシノステロイドは、BRI1の細胞外ロイシンリッチリピート(LRR)により認識され、リン酸化介在型カスケードを引き起こして遺伝子発現を調節する。今回我々は、BRI1(LRR)の遊離状態、およびブラシノステロイドの一種であるブラシノリドと結合した状態の結晶構造を報告する。BRI1(LRR)は、ブラシノリドと独立に結晶中および溶液中に単量体で存在する。この単量体はヘリックスソレノイド構造を形成しており、その凹表面には別の挿入ドメインがおさまっている。ブラシノリドは、ソレノイド構造と挿入ドメインの間に挟まれる形で、BRI1(LRR)上の疎水性の強い表面の溝に結合している。BRI1(LRR)によるブラシノリドの認識は誘導適合機構を介して行われ、これには、2つのドメイン間ループの安定化がかかわっており、これによって非極性の表面にホルモン結合のためのはっきりした溝が形成される。まとめると、以上の結果は、BRI1がブラシノステロイドを認識する分子機構を明確にし、ブラシノステロイドに誘導されるBRI1活性化について解明の手がかりを与えている。 Full Text PDF 目次へ戻る