Letter 量子情報科学:分割できない量子系の実験によって示される非古典性 2011年6月23日 Nature 474, 7352 doi: 10.1038/nature10119 量子論では、古典物理学とは対照的に、すべての性質を同時に明確にできるわけではない。ハイゼンベルクの不確定性原理はこの事実の具現である。別の理論、特に結合確率分布に依存する理論、つまりある系の性質がそれら自身の測定や行われた他のどのような測定とも独立して定まるとする非文脈的な隠れた変数モデルも研究されている。さまざまな難解な理論的結果は、こうした理論が量子力学と相いれないことを示している。このような矛盾を実証するする簡単な事例が見いだされており、一対の量子ビット(キュービット)の実験で検証されている。最近、非文脈的な隠れた変数モデルでは満たされ、2つのキュービットのすべての状態に対する量子力学では破れる不等式が導入されて、実験により検証された。単一の3状態系(キュートリット)は、このような矛盾が可能となる最も簡単な系である。さらに、このような3状態系は分割できないため、この矛盾は部分系間のエンタングルメントからは生じない。本論文では、単一光子キュートリットの実験について報告する。この実験から、すべての可能な測定結果を記述する結合確立分布は存在し得ず、したがって非文脈的な理論は存在し得ないことを示す証拠が得られた。特に、Klyachko、Can、Binicioglu、およびShumovskyが発見したベル型不等式の破れが観測された。我々の結果は、エンタングルメントからどのようにしても得られない深刻な非両立性が量子力学と古典物理学にあることを例証している。 Full Text PDF 目次へ戻る