Letter 宇宙:超新星1987Aの放出物質を照らし出すX線 2011年6月23日 Nature 474, 7352 doi: 10.1038/nature10090 大質量星が超新星として爆発すると、かなりの量の放射性元素(主に56Ni、57Ni、および44Ti)が生成される。衝撃波加熱による最初の閃光の後、超新星が放射する徐々に暗くなっていく光は、これらの元素の壊変によるものである。しかし、数十年後には、超新星残骸を駆動しているエネルギーは、放出物質と周辺媒質との間の衝撃波相互作用に由来するようになる。この相への遷移は、これまで観測されていなかった。その理由は、超新星は天の川銀河系内でほとんど発生しないため若い例が得られず、系外銀河の超新星はおおむね暗すぎ、また小さすぎるからである。本論文では、大マゼラン雲中の超新星SN 1987Aでこの遷移を観測したことを報告する。1994年から2001年にかけて、SN 1987Aの放出物質は、予測されたように44Tiの放射性壊変のために徐々に暗くなった。その後、フラックスは増加し始め、2009年の終わりまでに2倍以上になった。我々は、この増加が、放出物質と周辺物質との相互作用で生成されたX線によって蓄積された熱の結果であることを示す。将来、X線は放出物質にさらに深く貫入し、消失したこの星の構造や化学組成の解析が可能になると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る