Letter

生理:ニコチン型受容体に見られる調節可能なpKa値と正反対の電荷選択性の基盤

Nature 474, 7352 doi: 10.1038/nature10015

イオンチャネルの中で、ニコチン型受容体スーパーファミリーだけが陽イオンおよび陰イオン選択性メンバーの両方を持つように進化した。構造上関連性のない神経伝達物質依存性陽イオンチャネルはほかにも存在するが、他のタイプの神経伝達物質依存性陰イオンチャネル、すなわち迅速型シナプス抑制性シグナルの供給源は、今のところ報告されていない。小孔側を向いたカルボキシル基のリングが陽イオン選択性メンバーには存在し、陰イオン選択性メンバーには存在しないという一見してわかりやすい静電効果に加えて、小孔内壁を裏打ちする細胞膜貫通セグメント(M2)の細胞内側部分の端近くのアミノ酸配列のほかの特徴も、野生型チャネルの持つ高い電荷選択性を実現するために必要であることが、変異実験により明らかにされている。しかし、このより微妙な影響をもたらす機構は不明であり、推測の域を出ない。今回我々は、野生型が持つイオン化可能な側鎖のプロトン化状態を推定するために単一チャネル電気生理学的記録を行い、陰イオン選択性型の配列では小孔の細胞質側入口(M2の0′部位)に埋め込まれている保存された塩基性残基のプロトン化が起こりやすく、陽イオン選択性タイプ配列ではプロトン化が阻害されることを示す。埋め込まれた塩基性側鎖の0′リングのこれまで知られていなかった調節可能な電荷状態が、これらのチャネルの反転可能な電荷選択性フィルターに不可欠な特徴である、と我々は結論する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度