Article 構造生物学:潜在型TGF-βの構造と活性化 2011年6月16日 Nature 474, 7351 doi: 10.1038/nature10152 トランスフォーミング増殖因子(TGF)-βは、細胞外マトリックス内でそのプロドメインと複合体を作った潜在型として蓄えられている。TGF-β1の活性化には、プロドメイン中のRGD配列へαvインテグリンが結合して、このドメインに力がかかることが必要である。プロドメインは、潜在型TGF-β結合タンパク質によって、細胞外マトリックス内に保持されている。ブタの二量体型TGF-β1前駆体の結晶から、プロドメインの新規折りたたみ形状であるリング型複合体が明らかになった。また、プロドメインがTGF-β1を受容体による認識から隠す仕組みや、そのコンホメーションを変える仕組みも明らかになった。TGF-β1が放出されるためには、αvβ6インテグリンとプロドメイン間の複合体形成だけでは不十分である。力に依存した活性化には、個々の増殖因子単量体をジスルフィド結合により固定される位置に囲い込んでいる「拘束衣」をほどくことが必要である。TGF-βファミリーの33種類すべてのアミノ酸配列は、同様のプロドメイン折りたたみ状態を示している。この構造により、形態形成と恒常性に根本的に重要な増殖・分化因子群の調節を解明するための手がかりが得られる。 Full Text PDF 目次へ戻る