Letter 化学:多孔性有機分子結晶の予測可能なモジュール式集合形成 2011年6月16日 Nature 474, 7351 doi: 10.1038/nature10125 ナノ多孔性分子骨格は、分離、貯蔵、触媒反応などの用途に重要である。ナノ多孔性分子骨格の集合形成には経験則が存在するが、三次元多孔性固体において予測可能な方法で官能性を導入・分離することは依然として困難である。実際、混合性結晶骨格に関する最近の研究結果は、例えば酵素の反応部位に見られるように官能基が局在するのではなく、細孔全体にわたって官能性が統計的に分布する傾向にあることを示唆している。このことから、多孔性骨格を単純な出発物質から「ワンポット」化学合成することが制限される可能性がある。別の戦略として、合成によって事前に組織化された分子細孔から多孔性固体を作る方法がある。原理的には、官能性有機細孔モジュールを共有結合的に事前形成した後、それらを集合させて特定の特性を持つ材料を作製できる可能性がある。しかし、多様なものを組み合わせて組み立てるというこの構想は、実現には程遠い。特に、ネットワークに見られるような方向性があって強い結合が乏しい分子結晶を形成する三次元構造を確実に予測することが困難だからである。今回我々は、不斉認識によって自己集合するさまざまな有機ケージモジュールの混合によって、高多孔性結晶固体が作製可能であることを示す。生成される材料の構造は、計算によって予測できるので、in silico材料設計戦略が可能となる。構成要素である細孔モジュールは、ワンステップ反応によってグラムスケールの高い収率で合成される。多孔性共結晶の組み立ては、溶液中でモジュールを結合させてから溶媒を除去するだけという簡単さである。場合によっては、モジュール間の不斉認識を利用して、多孔性有機ナノ粒子を形成できる。我々は、この方法が4種のケージモジュールに有効であり、「鍵と鍵穴」式モジュール組み立てに基づく計算によって予測できる方法で、原理的に一般化できることを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る