Letter 医学:COP1は腫瘍抑制因子で、ETS転写因子の分解を引き起こす 2011年6月16日 Nature 474, 7351 doi: 10.1038/nature10005 原がん遺伝子ETV1、ETV4、ETV5はETS(E26 transformation-specific)ファミリーに属する転写因子をコードする遺伝子で、このファミリーには、前立腺がんで再編成あるいは過剰発現されていることの非常に多い遺伝子群が含まれる。これらは発生の調節因子として非常に重要だが、その翻訳後調節についてはほとんど知られていない。今回我々は、ユビキチンリガーゼCOP1(RFWD2とも呼ばれる)がETV1、ETV4、ETV5を負に調節する腫瘍抑制因子であることを明らかにする。ETV1は前立腺がんで変異している頻度がほかより高いが、COP1によりユビキチン化された後に分解される。前立腺がんに見られる転座TMPRSS2:ETV1でコードされる切断型ETV1は、COP1の結合に不可欠なモチーフが欠失しており、その安定性は野生型ETV1の50倍である。ほぼすべての患者で、転座によってETV1がCOP1非感受性になっており、これが前立腺上皮細胞の選択優位性をもたらしていると考えられる。実際、COP1を欠失させたマウス前立腺ではETV1レベルが上昇して、細胞増殖が亢進し、前立腺が肥大し、初期の前立腺上皮内腫瘍形成が見られた。COP1とPTENを共に失わせると、マウスの前立腺腺がんの浸潤性が亢進した。さらに、頻度は少ないがヒト前立腺がんの試料の中にはCOP1遺伝子のヘミ接合性欠失で、転座がなくてもCOP1タンパク質を持たず、ETV1タンパク質が増加しているものがあった。これらの知見は、COP1が腫瘍抑制因子であること、またその発現低下は前立腺上皮細胞の増殖と腫瘍形成を促進することを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る