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化学:同位体希釈分光法で明らかになった水表面における水素結合

Nature 474, 7350 doi: 10.1038/nature10173

空気–水界面は、おそらく最も一般的な液体界面であろう。これは地球表面の70パーセント以上を覆っており、大気化学、エアロゾル化学、環境化学に強く影響を及ぼしている。また、空気–水界面は、理論の厳密な検証を可能にするモデル系として多くの関心を集めており、その界面がどれほどの薄さなのかという基本的な疑問が持たれている。理論研究によって、「回復長」は約3オングストローム(1 Å = 0.1 nm)と意外に薄く、水のバルク相特性が最表面の2〜3層で回復することが示唆されている。しかし、液体表面でのオングストロームスケールの深さ方向分析は困難なため、実験に基づく直接証拠は得られていない。粘度、溶媒和、濡れ、疎水性効果などの、水の物理的、化学的、生物学的特性のほとんどは水素結合ネットワークによって決まる。水素結合ネットワークは、OH-伸縮モードのスペクトル線の形状を観察して調べることができ、その周波数シフトは水素結合強度と関係している。本論文では、表面選択的ヘテロダイン検出振動和周波数分光法を使って、水の最表面層でしか見られない「自由OD」遷移に注目して行った、空気–水界面の実験的および理論的研究について報告する。重水と同位体希釈法を使って振動結合機構を明らかにし、自由OD伸縮が、同じ分子のもう1つのOD基との分子内結合の影響しか受けないことが見いだされた。もう1つのOD伸縮周波数は、表面にある最初の水素結合の1つの強度を示している。これは、界面にまたがる水分子のドナー水素結合であり、バルク相の水の水素結合より少し弱いだけであることがわかった。この観測結果から、空気から水相へと横断していくと、バルク相挙動が非常に速やかに現れると考えられる。

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