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細胞:ヒトがんでのタンパク質インタラクトーム解析によって判明した、DNA修復におけるサイクリンD1の機能

Nature 474, 7350 doi: 10.1038/nature10155

サイクリンD1は、重要な細胞周期機構の構成要素である。ヒトの多くのがんでは、異常に高レベルのサイクリンD1が検出されている。ヒトがんにおけるサイクリンD1の分子機能を調べるため、数種類のヒト腫瘍でサイクリンD1の相互作用相手となるタンパク質について、プロテオームスクリーニングを行った。サイクリンD1と相互作用するタンパク質の解析から、相同組み換え過程を進めるリコンビナーゼRAD51などからなるDNA修復タンパク質のネットワークが明らかになった。サイクリンD1はRAD51と直接結合し、サイクリンD1–RAD51相互作用は放射線照射によって引き起こされる。サイクリンD1はRAD51と同様に、BRCA2に依存してDNA損傷部位へと引き寄せられる。ヒトがん細胞のサイクリンD1レベルを低下させると、in vitroでもin vivoでも、損傷DNAへのRAD51動員が妨げられ、相同組み換えを介したDNA修復が阻害されて細胞の放射線感受性が上昇した。網膜芽細胞腫タンパク質を欠失し、増殖にD型サイクリンを必要としないがん細胞でも、同じような影響が見られる。これらの知見から、細胞周期に重要なタンパク質がDNA修復に予想外の機能を果たしていることが明らかになり、サイクリンD1阻害の影響を受けないと現在は考えられている網膜芽細胞腫タンパク質陰性のがんでも、サイクリンD1を標的とする治療が有効な場合があることが示唆される。

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